京葉線「ダイヤ改悪」はなぜ防げなかったのか? JR・行政の間に横たわる“構造的問題”を考える
JRの首都圏区間のダイヤは、私鉄に比べてわかりにくく、サービスレベルも劣る。沿線自治体もそれを感じて改善要望を出しているが、抜本的な改善には至っていないケースが多い。
私鉄系の仮想ダイヤ

もし私鉄系事業者が運行事業権を獲得し、京葉線のダイヤを作ったらどうなるだろうか。こんな風になるだろうという想定時刻表の一例を作成した。
京葉線と武蔵野線それぞれを各駅停車10分おき、両線併せて4~6分おきとし、東京駅00、30分発を臨海副都心の通勤需要が高い新木場と、海浜幕張にも停車の特急、10、20、40、50分発を海浜幕張停車の通勤快速とした上で快速を廃止するといった具合に、形の整ったダイヤにして混雑のコントロールと速達サービスを両立させるだろう。
また、通勤快速の海浜幕張停車と各駅停車待ち合わせが実現すると、例えば東京駅から千葉市美浜区の稲毛海岸駅まで最速36分となり、現行の快速35分と遜色ない。
実はこのダイヤパターンは、平日のJR中央線下りの19時台などでJR自ら実践しているもので、これを参考にした。もっとも、中央線も私鉄に挟まれている線区ということもあり、私鉄に近いダイヤにしたのだろうが、若干の間隔のバラつきはあるのでそれを整えた形を京葉線に適用したものが筆者作成のダイヤ例である。
朝のラッシュ時も通勤快速のせいで千葉みなと~海浜幕張間で各駅停車の間隔が10分開くとの指摘も見られるが、これも特急・通勤快速(海浜幕張停車を前提として)と各駅停車を交互に運転する7分30秒サイクルのダイヤにすれば、増発なしでおおむね満足なものとなるだろう。