飛行機の「ペット同伴」 SNSでの“絶対NG論”は意外と正しいのかもしれない

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羽田空港C滑走路で海上保安庁の航空機とJALの旅客機が衝突した。この事故で貨物室に預けていた乗客のペット2匹が死亡し、SNS上では「ペット同伴」の議論が白熱した。

ペット・ツーリズムの本質

全国の20~69歳の犬の飼い主571人を対象に行ったアンケート(画像:ペットメディカルサポート)
全国の20~69歳の犬の飼い主571人を対象に行ったアンケート(画像:ペットメディカルサポート)

 しかし、ペット・ツーリズムの需要が高まっているとはいえ、本当にそれほどのニーズがあるのだろうか。東海大学国際観光学部の東海林克彦教授によれば、ペット・ツーリズムとは次のように定義されている。

「飼い主とペットが一緒に、日帰りや宿泊の如何を問わず、非日常的な圏域や環境において、飼い主とペットの双方にとって余暇を楽しむためのレクリエーション行動」(『週刊トラベルジャーナル』2022年6月27日号)

 ペット愛好家が求めているのは、長距離の移動ではなく、非日常的な「お出かけ」である。その多くは、やむを得ない事情がない限り、ペットの長距離の移動は絶対に避けたいと考えているからだ。

 前述の東海林教授らが作成した「ペット・ツーリズムの適正推進ガイドライン(骨子案)」でも、長距離の移動について。

「自家用車での移動であれば、事前に少しずつ慣らしておくことが必要だが、何をおいても、公共交通機関、特に飛行機を使った長距離の移動は、その犬の性質やストレス耐性などをよく考慮して判断することが肝要」

と、安易にペットを同伴させないよう警告している一文がある。

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