「軽自動車のダイハツ」というブランドイメージは今後どうなるのか? 2023年新車販売「14%増」も、認証不正で業界団体「見通しできない」現実

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自動車業界は今、大きな問題に直面している。ダイハツ工業の車両認証不正問題である。同社に求められているのは、一刻も早い新車の生産・出荷の再開だ。

懸念される他メーカーへの顧客流出

グランマックス(画像:ダイハツ工業)
グランマックス(画像:ダイハツ工業)

 ダイハツが新車を供給しない限り、新車を求める顧客は他メーカーの製品を選ぶしかない。これまでシェアの半分弱を占めていたメーカーの製品が、一時的にせよ姿を消すとはどういうことか。それが業界全体に少なからぬ影響を及ぼすことは明らかだ。

 中古車市場はどうだろうか。今回発覚した不正とは直接関係のない車種であったとしても、商品としてのイメージが拭い去られるわけではない。これまで培ってきた

「軽自動車のダイハツ」

というブランドイメージが、今後どれほどの影響を受けるのか、まったく推測がつかない。

 現時点でダイハツに求められているのは、一刻も早い新車の生産・出荷の再開である。同時に、メーカーとしての再出発に向けた新たなメッセージももちろん不可欠だろう。

 グループトップのトヨタは、ダイハツの再建を、主に取引先の保障関連資金という形で全面的に支援すると発表した。しかし、詳細やその他の具体的な支援策はまだ不明であり、できるだけ早くまとめられ、発表されることを期待したい。

 日本の自動車業界における軽自動車は、メーカー周辺を支える関連下請け企業を含めて、決して軽視できない重要な産業である。ダイハツの不祥事は残念だが、ここで迅速かつ適切な対応をとることが、問題の沈静化と業界全体の安定に不可欠である。

 一刻も早い改善策の発表を期待したい。2月以降も生産・出荷停止が続くようであれば、早期の回復はさらに難しくなるだろう。

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