「軽自動車のダイハツ」というブランドイメージは今後どうなるのか? 2023年新車販売「14%増」も、認証不正で業界団体「見通しできない」現実
全軽自協業界、悲観的な見通し
認証不正の多くは過去の生産記録に関するものだったが、年が明けて2024年1月になると、ダイハツが手掛けていた小型トラック3車種、
・ダイハツ「グランマックス」
・トヨタ「ライトエース」
・マツダ「ボンゴ」
の型式指定を取り消すという大問題に発展した。
ダイハツをめぐる諸問題のなかで、日本の自動車産業に最も大きな影響を与えるのは何か。それは軽自動車関連である。まさにダイハツの不正が発覚した2023年12月の軽自動車の新車販売台数は13万519台だった。
この数字自体は前年同月比3.5%減と若干のマイナスとなったが、これは2022年がコロナ禍にもかかわらず、比較的良好な数字を記録していたことによる。業績自体は回復傾向にあったのだ。
一方、2024年の業界動向について、全軽自協は
「見通しが出せる状況にはない」
と極めて悲観的だ。ダイハツは、“宿命のライバル”であるスズキと業界トップの座を争うかのように販売台数を伸ばしてきた。ダイハツの2023年の年間新車販売台数は、スズキが53万1907台に対し、ダイハツは56万5928台である。最終的に3万台の差がついたが、両社の業績は右肩上がりで、最後まで先行きが読めない展開となった。
しかし、ここにきてダイハツの大失速である。単月の販売台数は月によって多少異なるが、ダイハツの場合はおおむね4万台から5万台の間であり、2024年1月にはまずこれだけの台数が月次販売データから消えることになる。
加えて、工場の生産・出荷再開のめどが立っていないことは、業界全体に暗い影を落としている。生産再開が遅れれば、市場全体への影響は計り知れない。コロナ禍が猛威を振るった2021年から2022年にかけての、“クルマを買いたくても買えない状況”に戻らないとも限らない。