エンジン車の元技術者、ネットにはびこる“EVアンチ”を叱る 「イノベーションに敬意を持て」
内燃機関原理主義者はインターネットにも現れ、自説を一方的に垂れ流す。もちろん記事にコメントするのは自由だが、まずすべきは、記事を熟読し、その内容を理解し、反論するなら敬意を持って行うのが最低限のルールではないのか。
自動車進化の新時代
われわれが何をいおうと、車の電動化は止まらないし、止める必要もない。2035年以降のどこかで、乗用車は
・EV
・燃料電池車(FCV)
・レンジエクステンダーEV(REX)
・PHV
に絞られるだろう。もしかしたら、通常のハイブリッド車(HV)は新興市場向けに残るかもしれない。
合成燃料は、道路を走る約15億台の純エンジン車を脱炭素化するのに有効だが、それは橋渡し技術である。水素エンジンにはコスト面での課題があり、大量生産は率直にいって不透明だが、開発は必要である。
エンジン車販売禁止の目標年である2035年まで、またそれ以前に販売されたエンジン車の寿命12~13年分、合計25年以上、多種多様な車が開発・販売されることになり、そのためのインフラやリサイクル技術が必要になる。
そしてこれらは、世界中の自動車会社や関連企業が分担・協力して開発しなければ実現できない。もはや
「『EV賛成派』『EV反対派』という論争はもはや意味がなくなっている」
と前述の村沢氏、井上氏は語る。
最後に一言。内燃機関原理主義者はそろそろ“妄想”から目を覚まし、現実を直視しよう。内燃機関愛好家である筆者でさえそう思っている。子どもじみた振る舞いをイノベーションの妨げにしてはならないし、まずはEV技術者に敬意を示すべきだ。