訪日観光客の96%が日本に「満足」 もしそうなら、観光は“平和”を創造できるかもしれない【リレー連載】平和産業としての令和観光論(4)
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- 観光, 旅行, 平和産業としての令和観光論
エンターテインメントという架け橋
個人的には、英国は駅でスーツケースを運ぶのを手伝ってくれる人が特に多かった経験があり、好印象を持っている。一方、人種差別のためか、レストランやスーパーマーケットでの接客に冷たさを感じた国に対しては、ほろ苦い気持ちが長く残っている。
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観光庁の最新のアンケート調査によると、訪日旅行全体の満足度は
・大変満足:65.2%
・満足:31.1%
で(「大変満足」+「満足」で96%超)、再訪意向は
・必ず来たい:72.3%
・来たい:24.3%
であった(訪日外国人の消費動向 2023年7~9月期報告書)。日本の美食と円安で買い物がたくさんできたというだけで、そうなるとは考えづらい。
外国人観光客と接する機会は少ないかもしれないが、電車の乗り方や荷物など、困っている人を助けるスタンスを強化したほうがよりよいだろう。言葉の壁はあるが、翻訳ツールの普及で低くなっている。
日本の平和を考えるうえでは、特に
「近くの国」
が重要である。例えば韓流俳優やK-POPグループをきっかけに、韓国人に好感を抱き、韓国語を習いはじめたり、韓国を訪れたりする人は珍しくない。
逆に日本のアイドルグループが好きな韓国人に、「アンチ日本」の空気は確かにあるが、「自分は日本人が嫌いじゃないよ」といわれたことがある。エンターテインメントは観光を促進するし、その好意は平和につながる。
2021年に『イカゲーム』がネットフリックスで配信されたとき、筆者はロンドンにいたのだが、それを話題にする人が本当に多かった。また、BTSファンの南米人たちからは韓国に行ってみたいといわれ、日本はアジアでトップの関心国という印象があったが、「もはやこれまでか」と危機を感じたものである。
日本に呼び込むきっかけは何でもいい。日本に来れば、きっと日本を好きになってくれると思うので、日本を代表する各分野に頑張ってほしいものである。