LCCジェットスター「旭川就航」に立ちはだかる、空港~観光地“二次交通”という壁 地域経済は発展できるのか
JALグループのジェットスター・ジャパンが旭川空港と成田空港を結ぶ定期便の運航を開始して1か月余が経過した。今後期待されることとは。
平均搭乗率90%を目指す
ジェットスター・ジャパンが旭川を新規就航地に選んだのは、主に次の六つの条件を満たしていたからだ。
・北海道第二の都市
・コロナ前の東京~旭川間の航空需要が約100万人
・大自然に囲まれ動物園やスキー場などの観光資源が豊富
・北海道の中央部に位置し道内観光の拠点
・ジェットスター就航に対する地元の熱い支援
・国の観光立国推進基本計画にある三大基本方針(持続可能な観光地域づくり戦略・インバウンド回復戦略・国内交流拡大戦略)
同社の片岡優社長は
「周辺人口が60万人に達する中核都市は道内では旭川市だけ。ジェットスターの利用客は観光客と相互訪問が各4割、ビジネスが2割で、周辺人口から観光以外の需要が見込まれる。大手航空会社よりも年間を通じて安い料金で需要を喚起し、首都圏や海外から旭川へ誘客していきたい」
とする。ジェットスターの平均搭乗率はコロナ後
「90%」
を維持しており、旭川線も他の路線と同様に90%維持を目指す。
北海道エアポート(北海道千歳市)は、道内7空港特定運営事業等マスタープラン(基本計画)で、
「各空港の明確な役割分担」
による航空ネットワークの拡大を目指している。
旭川空港は2025~2030年度にかけて商業・観光機能の充実やエプロン(駐機場)増築を行う計画だ。今回のLCC就航で、LCCならではの気軽に利用できる国内外の路線ネットワークを拡充することで交流人口を増加させ、地域の活性化を推進していく。