LCCジェットスター「旭川就航」に立ちはだかる、空港~観光地“二次交通”という壁 地域経済は発展できるのか

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JALグループのジェットスター・ジャパンが旭川空港と成田空港を結ぶ定期便の運航を開始して1か月余が経過した。今後期待されることとは。

海外との交流人口増加目指す

旭川空港の位置(画像:OpenStreetMap)
旭川空港の位置(画像:OpenStreetMap)

 旭川市を中心とした上川地方は自然が豊富で、旭川から観光スポットへのアクセスも良好だ。

 雄大な大雪山連峰や十勝岳連峰、ウインタースポーツ、世代を超えて人気の旭川動物園、季節ごとの花々が咲き誇る美瑛の丘や富良野のラベンダー畑など観光資源に恵まれ、四季折々の魅力にあふれている。旭川市は北海道の中央に位置し、道内の周遊観光の拠点としても適している。

 今回の就航で旭川と東京(成田)を結ぶ空の旅が低運賃で楽しめることで、

「国内の旅行需要の拡大」

も期待される。

 ジェットスターが保有する路線網からの乗り継ぎを含め、成田空港を経由して海外からの旅行者らも気軽に旭川を訪れることができ、旭川市は、交流人口の増加で地域の活性化を図っていきたい考えだ。

空港から観光地への二次交通が課題

就航情報(画像:成田国際空港)
就航情報(画像:成田国際空港)

 旭川市の今津寛介市長は、運航開始を受けて

「二次交通の充実が今後の課題になる」

との認識を示す。

 具体的には、空港から観光地に向かうタクシーやバスなどの二次交通の充実をはじめ、

・救急医療体制の構築
・公共交通機関や飲食店での案内表記の多言語化

などを挙げる。これらの課題について

「近隣の自治体やジェットスター・ジャパンの皆さんと連携して取り組んでいきたい」

としている。

 また、北海道エアポートの蒲生猛社長は

「札幌圏内にも旭川駅から電車で1時間半と北海道観光にとても便利な空港。多くの人に利用していただきたい」

と話している。

 二次交通については、旭川空港から市内までのバスはあるが、そこから上川管内の美瑛町や富良野市にどのようにしていくかが課題だ。現状は人手不足で、団体客向けの貸し切りバスを旭川市内で手配するのが難しい状況であり、自治体が観光客向けの対応を図りながら支援していく必要がある。

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