海上で進む「環境配慮」 メタノール燃料のケミカルタンカーが竣工、日本郵船グループ

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日本郵船は、同社グループが保有する、メタノール燃料の新造ケミカルタンカーが韓国で竣工したと発表。燃料のメタノールに水を加えて燃焼温度を下げることで、窒素酸化物(NOx)の生成を抑える新技術を採用しているという。

NOx排出を低減した二元燃料エンジン搭載

新造ケミカルタンカー「SEYMOUR SUN(シーモア・サン)」(画像:日本郵船)。
新造ケミカルタンカー「SEYMOUR SUN(シーモア・サン)」(画像:日本郵船)。

 日本郵船は2022年1月27日(木)、同社グループのNYバルクシップ・アジアが保有する、メタノールを燃料とする新造ケミカルタンカー「SEYMOUR SUN(シーモア・サン)」が同日、韓国の造船所・現代尾浦造船(ヒュンダイミポぞうせん)で竣工した、と発表した。

 同船は、全長約186m、全幅約32.2m、総トン数3万873t。重油だけでなく環境負荷の低いメタノールも燃料として使用できる二元燃料エンジン搭載船だ。

 またメタノールを燃料として航行する際、メタノールに水を加えて燃焼時の温度を下げることで窒素酸化物(NOx)の生成を抑える新技術を採用している。

 これにより、従来必要とされていた排ガス再循環システム(EGR)や選択式触媒還元脱硝装置(SCR)などの設備を搭載することなく、IMO(国際海事機関)が定めるNOxの3次排出規制(大気汚染抑制のため、船舶のNOx排出量を2000年比80%削減)に対応。「環境にやさしい輸送に貢献する」としている。

 同船は、日本郵船グループのNYKシップマネジメントの管理のもと、世界最大のメタノール生産会社メタネックス・コーポレーションが出資するウォーターフロントシッピング(WFS)との長期用船契約に従事する予定という。

 NYバルクシップ・アジアは2020年12月、WFSとの契約締結を発表していた。

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