EVの未来は明るい! 自動車ユーザー2万人調査でわかった、ネット“フルボッコ状態”とは異なる意外な結果とは
年代別の意向
EVへの関心は世代間でどのような違いがあるのだろうか。調査結果によると、20代の33.1%がEVに「非常に興味がある」と回答しており、若い世代ではEVが日常的な選択肢として認識されていることがうかがえる。
また、「非常に興味がある」と回答した人は、全世代で30%台であり、どの世代でも関心が一定していることがわかる。
大きく変化したのは、実際の購入意志に関する質問である。「EVへの乗り換え意向度(年代別)」のうち、「必ずEVを検討する」と回答した人の割合を年代別に見ると、次のようになった。
・20代:40.7%
・30代:34.6%
・40代:30.2%
・50代:26.4%
年齢が高くなるほど、実際にEVを購入する意志が低くなることがわかる。この背景には、EVという“テクノロジーの塊”に対する意識の違いがある。1990年代以降に生まれた20代のいわゆるデジタルネーティブ世代は、最先端のテクノロジーを使うことに何のためらいもない。
現在、EVには充電インフラや技術的信頼性に関する懸念が残っている。なかでもバッテリーの安全性は重要で、発火の危険性を完全に排除することは難しい。一方、ガソリン車は技術的な知見が多く積み重ねられ、特に日本車は故障も少なく、いつでも安心して乗れる“信頼感”がある。
しかし、若い世代の価値観は信頼性よりも“最先端”であることを重視する。これはEV以外でも同様だ。
総務省の「令和2年通信利用動向調査」によると、スマートフォンの所有率は13~59歳で90%を超え、特に20~29歳では105.7%(ひとり2台以上所有しているので数値では100%上回る)となっている。
このことは、若い世代が新しいテクノロジーに柔軟で敏感であることを示しており、この傾向はEVへの関心の高さにも反映されている。最新テクノロジーに対するポジティブな姿勢も、EVの普及に重要な役割を果たしていると考えられる。
このほか、ラインやユーチューブ、キャッシュレス決済を含め、いずれのサービスも20~30代の利用率が高い。日常生活における最新テクノロジーの利用頻度の高さは、EVに対する意識にも反映されている。
最近の「平成レトロ」ブームで、10代の若者たちのガラケーやルーズソックスへの関心が話題になっている。このような風潮を見ると、若い世代はむしろエンジン車を好むように思えるが、実はそうではない。そうした興味は、実用性を度外視した「デザイン」や「雰囲気」にのみ向けられている。
日常生活では、最先端のテクノロジー機器や新しいウェブサービスを次々と利用することが当たり前になっている。だからこそ、EVは日常生活をより便利にするための「道具」のひとつとして選ばれていると考えられるのだ。