テスラ世界制覇への道 2030年「2000万台目標」ブチ上げ、新工場を巡るタイ・インド首相の思惑とは
首相の誘致力、タイが手応え
タイ・セーター首相は、2023年11月11日から17日まで米国サンフランシスコで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席し、11月14日にテスラのフリーモント工場(カリフォルニア州)を訪問し、テスラ経営陣と面会した。
【無料セミナー】「自動車DXサミット vol.3」 三菱ふそう KTC マツダ登壇 Amazonギフトカードプレゼント〈PR〉
面会のなかで、セーター首相はテスラ経営陣に対し、タイの民間企業が提案した三つの候補地を視察するよう促したとされ、テスラ経営陣による現地視察は11月28日になる見込みだと、タイの地元メディアであるプーチャッカーンが11月20日に報じた。
同メディアによると、セーター首相は、「テスラ新工場の交渉先はタイ1国だけ」とし、
「2024年第1四半期(1月から3月)には工場設置可否が判断される」
と述べたという。一説によると、タイ新工場の投資額は50億ドル(約7500億円)にも上る可能性があるが、タイ政府は新工場誘致に自信を持っているようだ。タイ政府のEV振興政策は、
・2030年までにタイで生産される自動車の30%をEVにする
・東南アジア諸国連合(ASEAN)地域のEV生産ハブになる
である。次に、これまでにタイでのEV工場建設計画を発表した自動車メーカーを示す。
・比亜迪(BYD):ASEAN域初のEV工場を2024年に生産開始予定(年産能力15万台)
・長安汽車:右ハンドル電動車工場を建設予定(同10万台)
・〇〇(=口へんに那、=口へんに託のつくり)汽車(Neta):右ハンドルEV製造拠点を建設中(同2万台)
・ホライゾン・プラス:EVを2024年から生産開始予定(同5万台)
・広汽埃安(GACアイオン):EVを2024年から生産開始(同10万台)
などがある。さらに、奇瑞汽車(チェリー)、江鈴汽車(ジァンリン・モーターズ)などがタイ投資委員会(BOI)と協議を開始したと報じられている。