寝台列車の魅力とは何か? 欧州では“環境配慮”で存在感復活、日本では今後どうなる
年末年始も臨時で4本追加される日本の寝台列車。その未来はあるのか。実は欧州では復活の動きがあるのだ。
英国の寝台列車
かつては英国と欧州大陸を結ぶ国際寝台列車があったが、1980年に廃止された。ロンドン~パリ間で、海峡はフェリーで列車を運んでいた。
いま、英国人たちはパリまでユーロスターで行って、そこから寝台列車に乗ることで、オール鉄道の欧州大陸の旅を楽しめると考えている。英国内では、定期運行の寝台列車はふたつ。
・ユーストン駅(ロンドン)とスコットランドを結ぶ「カレドニアン・スリーパー」
・パディントン駅(同)と南西部のコーンウォールを結ぶ「ナイト・リビエラ・スリーパー」
である。日曜日から金曜日とほぼ毎日運航で、バーのあるラウンジがある。なかには専用バスルーム付きの客室もある。
筆者(鳴海汐、日英比較ライター)はこの夏にナイト・リビエラ・スリーパーの個室を利用した。特に高級ではないが、エアコンの調整ができ、掛け布団があって割と快適だった。付属の洗面台ではお湯を使って顔を洗うことができるし、上着を収納できるコーナーがあって、ビジネスホテルにでも来たような気分になった。
前日に選択したペストリー(もしくはポリッジ)、紅茶(もしくはコーヒー)が個室に届けられ、朝食をとった。夜行列車ではあるが、お世話をしてくれた乗員が女性だったのが安心感にもつながった。
日本の場合、クリーンな移動が求められるようになるかもしれないが、新幹線が発達しているので、寝台列車が今後大きく増えることはないかもしれない。もし増やすとしたら、国の力添えが必要なことは間違いないだろう。