100年の鉄工所を捨て不動産業へ アライプロバンス【短期連載】素人に倉庫ビジネスは可能か(2)

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「素人に倉庫ビジネスは可能か?」第2話は、異業種から倉庫ビジネスへのチャレンジをしているアライプロバンス(旧 新井鉄工所)が、物流不動産への参入を果たした経緯から、テーマを深耕する。

土地を貸すだけの地主で良いのか?

アライプロバンスの代表取締役専務 新井太郎氏(坂田良平撮影)。
アライプロバンスの代表取締役専務 新井太郎氏(坂田良平撮影)。

 新井鉄工所は2016年に製造事業から撤退し、2020年、総合不動産業を行うアライプロバンスとして再出発を果たした。その間、同社は物流不動産ビジネスに参入すべく、準備を重ねていた。

 物流不動産ビジネスを手掛ける企業から、協業の申し出もあったが、同社は断ったという。「楽をしようとすれば、どうしても相手のペースになってしまいます」と新井氏は説明する。

 明治期に創業し、100年の歴史を持つ企業が、それまで培ってきた実績を手放し、異業種に転身するというのは生半可な判断ではない。100年の歴史というものは、軽いものではないのだ。だが同社は、次の100年に向けて、経営継続を掛けたチャレンジを選んだ。

 手っ取り早く利益を得ることが目的であれば、浦安および東葛西の土地を売却するという道もあったろう。土地を貸し、地主として生き残るという道もあったはずだ。

 だが、アライプロバンスは自社で倉庫を運用することにこだわった。そこには、物流不動産ビジネスに本気で取り組むという、同社の強い決意がある。

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