日本はなぜ「自転車専用レーン」の整備が遅れているのか? そもそも利用者が少ない根本原因も考える
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コペンハーゲンが示す成功の鍵

では、効果的な専用レーンの整備とはどのようなものだろうか。参考にされるのは欧州の例が多い。
例えば、デンマークのコペンハーゲンも自転車利用をうまく推進している都市の例とされている。コペンハーゲンでは、市民の多くが日常的な移動手段として自転車を利用しており、専用レーンや橋、信号機が整備されている。
専用レーンは広く、車道からしっかりと分離されているため、自転車は自動車の往来から隔離された安全な環境で移動できる。また、専用の信号システムにより、自転車は効率的かつ迅速に市内を移動できる。
これらの成功例から、理想的な自転車道の実現には、単に専用レーンを整備するだけでなく、自転車の安全と快適さを最優先に考慮した都市計画が必要であることがわかる。
専用レーン整備の困難さ

多くの成功例が紹介されているにもかかわらず、日本では効果的な専用レーンは開発されていない。その理由は、
・既存の道路構造を変えることの難しさ
・交通法規の複雑さ
・地域間の整備基準の不一致
・市民意識とのギャップ
などさまざまである。
特に高度経済成長期以降、自動車中心の交通システムが導入された影響が大きい。自動車をスムーズに通行させるため、新たな専用レーンの設置は困難である。また、路上駐車対策や荷下ろしスペースの確保も必要となる。
2014年に開催された国土交通省の「安全で快適な自転車利用環境創出の促進に関する検討委員会」で発表された資料では、自転車のためのスペース不足の問題が取り上げられている。そこでの自治体担当者へのヒアリングは次のとおりである。
・整備形態は幅員に大きく左右されるものであるので、場合によって道路の大規模改修が伴う。しかし、自転車通行空間の整備だけを目的とした大規模改修は理解を得にくい部分がある。
・道路は完成済みが多く自転車通行帯を考慮した幅員構成の再配分が難しい。
・右折レーンが整備される区間では、専用通行帯の幅員が確保できなくなる。
専用レーンが整備されている道路では、専用レーンが突然なくなったり途切れたりする、ちぐはぐな場所に遭遇することがある。これらは、制約のなかで形だけ整備された結果である。
結局のところ、理想的な自転車道を実現するには、これらの問題に対する具体的な解決策と、都市計画における自転車利用の優先順位の再考が必要なのである。