2022年のモビリティ業界「3つのグローバルリスク」 全ては米中の関係次第?

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2022年も多くの地政学リスクが企業の経済活動に影響を与える可能性がある。自動車をはじめとしたモビリティ業界におけるグローバルリスクを考えてみたい。

モビリティ産業が直面しそうな地政学リスクとは

モビリティ業界が2022年に直面しそうなリスクとは。写真はイメージ(画像:tongpatong321/123RF)。
モビリティ業界が2022年に直面しそうなリスクとは。写真はイメージ(画像:tongpatong321/123RF)。

 2022年が始まった。コロナ禍も2年となり、未だにその終息が見えないことから、日本経済の先行きも不透明な状況だ。そのようななか、今年も多くの地政学リスクが企業の経済活動に影響を与える可能性がある。ここでは2022年、日本のモビリティ産業に影響を与える恐れのあるリスクを3つに絞って考察する。

 1つ目は、人権デューデリジェンスを巡る動きだ。企業が事業活動に伴う人権侵害リスクを把握し、その予防や軽減、停止などに取り組むことを意味する。

 当然ながら米中対立は今年も続くが、その主戦場は経済領域であり、対立の拡大と長期化は企業の経済活動にとっては大きな不安要素だ。バイデン政権が発足してから1年となるが、同政権は新疆ウイグル自治区における強制労働などの人権問題で中国に圧力を掛けるようになり、結果的に人権デューデジェンスへの意識が欧米企業を中心に高まっている。

 たとえばユニクロは2021年、強制労働によって栽培された新疆ウイグル産の綿花を使用しているとして、製品の米国への輸出を差し止められたほか、フランスでは人権NGOなどから、人道に対する罪を隠匿しているとして刑事告発されている。また、カゴメやミズノといった企業も、同綿花の使用停止や調達先変更などを余儀なくされる結果となった。

 バイデン政権は人権侵害を理由に経済制裁の対象とする中国企業の数を拡大させており、もはや影響はアパレルや衣料品メーカーだけに留まらない。12月には、ドローンの世界最大手DJIや、顔認証による監視技術などを持つハイテク企業など、40を超える中国の企業や団体に対してアメリカからの投資を禁止するといった制裁を科すと発表した。人権問題を理由に制裁対象となる業界の範囲も拡大しており、影響を受ける企業が増える可能性がある。

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