ライドシェアは「白タク」の別名にすぎない! そもそも80~90年代、“暴力団の資金源”だったことを忘れたのか
政府が本年度中に、ライドシェアの新制度を設ける方向で動いていることが明らかになった。この新制度は、タクシー不足の地域や時間帯に限り、タクシー会社の管理の下、一般のドライバーが自家用車を使って有料で人を運ぶことができるというものだ。
ライドシェアの矛盾

運転代行と称しながら、実際には白タクを走らせている業者の存在も、正規のタクシー会社にとっては頭痛の種だった。
1989(平成元)年3月、高崎のタクシー会社2社は、当局の取り締まりの遅れに業を煮やし、関東運輸局群馬陸運支局に白タクの取り締まり求めて抗議を行った。1990年代、景気の低迷とともに白タクは少なくなったが、根絶されたわけではなく、2010年代後半に外国人観光客が急増すると、彼らを狙った白タクも増加した。
白タクの最大の問題点は、一定の技術を持たないドライバーに
「客を乗せる責任」
を負わせることだ。以前の記事『タクシードライバーに“二種免許”は本当に必要か? 「ライドシェア解禁」「普通免許タクシー」議論で改めて問う』(2023年10月15日配信)で書いたように、正規のタクシードライバーは、客を乗せて走るのに十分な技術を保証するためのひとつのハードルとして「二種免許」を持っている。
果たしてライドシェアは、そのような十分に熟練したドライバーを提供できるのだろうか。この点だけを見ても、
「ライドシェア = 白タク」
であるといえるだろう。
自動車の普及以来、白タクは利用者の安全を脅かし、暴力団の資金源として取り締まられてきた。ライドシェアという“横文字”に変えた途端にもてはやされるのは、やはりおかしい。