米国の約6割が「EVに否定的」 自動車大国ドイツでも戦略転換、“深い溝”に陥ったEV市場の行方とは?

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欧州の自動車大国ドイツでもEV戦略に変化が出始めている。今後どうなるのか。

環境負荷の実態

ウクライナ危機で急増するノルウェーの原油輸出量(バレル/日)。2022年は金額ベースで世界7位(画像:CEIC)
ウクライナ危機で急増するノルウェーの原油輸出量(バレル/日)。2022年は金額ベースで世界7位(画像:CEIC)

 2022年の世界の自働車保有台数に占めるEVとPHVの割合は、わずか2.1%だ。可能性は低いが、仮に2030年に世界の新車販売が一斉にEVに切り替わったとしても、平均寿命が10年を超える15億台以上の既存車全てがEVに置き換わるのは2040年(現実にはもっと後)だ。

 それまでは、HVの増加やエンジン車の効率向上、そしてEUが既存車への使用を認めている合成燃料の使用が、CO2排出量削減の現実的な手段となる。

 1997年に初代プリウスを量産し、2022年2月末までに累計2000万台のHVを販売したトヨタは、全世界で累計1億6200万トンのCO2削減に貢献している。

 ライフサイクルアセスメント(LCA)も最近議論され始めた。バッテリー式電気自動車(BEV)は、リチウムなどの電池用金属を採掘・製造する上流工程で、エンジン車よりも多くのCO2を排出するほか、環境汚染や強制労働など特有の課題も抱えている。

 あるいは、EV先進国のノルウェーは、

・国内総生産(GDP)の10.2%を占める豊富な石油・天然ガスを財源にEVを普及させ、国をクリーンにしたが、他国のCO2排出を促進している
・2022年には普及率が88%に達し、EV優遇の財源が枯渇し、電力不足も懸念されている

ことはあまり報道されていない。

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