スイッチひとつでエンジン始動! 便利な自動車の「スマートキー」は将来消滅するのか?
現在では多くの新型車にスマートキーが搭載され、さまざまな便利機能が提供されている。しかしセキュリティー上のリスクも指摘されており、今後の動向が注目されている。
セキュリティーへの脅威

スマートキーは便利で革新的な技術だが、その便利さには潜在的なセキュリティーリスクがともなう。特に、遠隔操作という性質上、不正アクセスやリレーアタック(他の遠隔操作によるハッキング)の脅威がある。
さらに、イモビライザー(盗難防止装置)が標準装備されているクルマのアラーム機能を無効にして開錠する「イモビカッター」まで登場している。車両のハイテク化が進むにつれ、こうした脅威に対処するためのセキュリティー向上が急務となっている。
そのため、自動車メーカーはスマートキーのセキュリティーを向上させるためにさまざまな対策を講じている。
例えば、トヨタのリモコンには、リモコンから発信される電波を一時的に遮断する「節電モード」が搭載されており、リレーアタックが起こりにくくなっている。そのほかにも、電波を遮断するキーケースやポーチ、金属缶などを利用するアイデアもある。
スマートキーの最近の進化形は「仮想キー(デジタルキー)」で、スマートフォンを使ってクルマの開閉や始動ができる。これにより物理的なスマートキーが不要となり、利便性がさらに向上する可能性がある。
一方で、デジタルキーは新たなセキュリティー上の懸念も引き起こす。スマートフォンからの操作は、ハッカーによる不正アクセスのリスクを高める可能性がある。また、日本では普及やインフラ整備が進んでいないなど、今後の課題も多い。