なぜ日本はタクシーに執着するのか? ジャーナリストの私が京都で感じたライドシェアの可能性、忌避論はもはや病理である

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なぜ日本はライドシェアの先進事例を拒否するのか。もはや「できない理由を探し続ける」症候群なのだろうか。

制度の柔軟運用

京丹後市旧丹後町の街並み(画像:森口将之)
京丹後市旧丹後町の街並み(画像:森口将之)

 そのひとつが、京都府最北端に位置する京丹後市で、合併前の旧丹後町地区で2016年から展開する「ささえ合い交通」。日本で初めてウーバーのアプリを地域交通に導入したことでも知られる。

 タクシー撤退の翌年設立されたNPO法人「気張る!ふるさと丹後町」が、東西ふたつの集落内を巡るオンデマンドバスとともに、自家用有償旅客運送制度を活用した「ささえ合い交通」も導入したものだ。

 車両の予約と行き先指定、料金決済は

「ウーバーそのもの」

で、あらかじめクレジットカードなどの登録を済ませていれば、簡単に予約ができる。スマートフォンやクレジットカードを持っていない住民もいるため、サポーターによる代理配車も採用し、決済は現金も可能としている。運賃はおおむねタクシーの半額ほどとなっている。

 ドライバーは自家用有償旅客運送の講習を受け、ライセンスを2年(優良運転者は3年)ごとに更新。自動車保険に独自の項目を盛り込み、毎朝ドライバーのアルコールチェックや健康状態確認を実施している。

 現在は16人のドライバーが登録しているそうで、タクシーよりも需要変化に柔軟に対応できそうだ。

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