なぜ日本はタクシーに執着するのか? ジャーナリストの私が京都で感じたライドシェアの可能性、忌避論はもはや病理である

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なぜ日本はライドシェアの先進事例を拒否するのか。もはや「できない理由を探し続ける」症候群なのだろうか。

ライドシェアの導入事情

筆者が利用したささえ合い交通(画像:森口将之)
筆者が利用したささえ合い交通(画像:森口将之)

 最近、ライドシェアが再び話題になっている。きっかけは菅義偉(よしひで)前首相などの発言で、地方や観光地でタクシーが不足しており、それ以外に地域移動を支える仕組みが必要だという理由だったと記憶している。

 タクシー不足の理由のひとつに、新型コロナウイルス感染症で運転手が離職し、戻ってこないという事情もある。さらに、これは日本に限ったことではないが、多くのタクシー運転手は外国語対応がイマイチで、インバウンド(訪日外国人)対策は十分とはいえない。加えて来年からは、トラックやバスを含めたプロのドライバーに、年間960時間以内という年間残業時間上限が設定される。

 ライドシェアが何かは、知っている人もいるだろう。一般のドライバーがマイカー(自家用車)を使い、料金をとって乗客を輸送するもので、スマートフォンアプリを使い、運転手と利用者をマッチングさせる仕組みとなっている。米ウーバー・テクノロジーズ(ウーバー)によって広まり、現在は中国、東南アジア、南米など世界各地でさまざまな会社が展開している。

 日本でもウーバーはフードデリバリーのウーバーイーツでおなじみだが、ライドシェアは行わず、

「タクシー配車アプリ」

の形での導入になっている。日本は一部の例外を除き、お金をとって客を運ぶ有償旅客運送は

・2種免許を持つドライバー
・緑ナンバーをつけた営業用車両

が必須ということになっていて、タクシーの業界団体がこのルールを盾にとって強硬に反対しているからだ。

 その声は今も衰えていないようで、国土交通省では現在5台となっている法人タクシーの最低台数を4台以下に減らす方針を明らかにするとともに、外国人労働者の在留資格「特定技能」の対象にタクシーやバス、トラックのドライバーを追加し、過疎地への個人タクシー参入を認め、年齢上限を80歳まで広げる検討に入るなど、なりふり構わぬ動きに出た。

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