訪日外国人のレンタカー事故多発! 彼らが道路標識を理解できない根本理由
異なる交通標識の文化

レンタカーを利用した訪日外国人の交通事故が増えている。2023年11月23日付の『北海道新聞』朝刊によると、観光名所の多い帯広署管内の2023年の人身交通事故件数は2022年比124件増の424件だった。
記事によると、人身事故は2件増の3件、物損事故は21件増の22件。コロナ禍による入国規制が緩和したことで、個人や少人数でレンタカーを借りる訪日外国人が増えたことも増加の一因と見られる。
事故の原因は、単に不慣れな土地での運転だけにとどまらない。現在指摘されている問題は、日本の道路標識が多くの訪日外国人にとって理解しにくいことだ。なかでも、訪日外国人にとってわかりにくい標識の例としてよく挙げられるのが「止まれ」の標識だ。
製品マニュアルや取扱説明書に使用されるマークは「ISO規格」によって世界規模で標準化されているが、交通標識には広く普及している世界標準はない。
1968年の国際連合道路交通会議「道路標識及び信号に関するウィーン条約」では、国連企画の標識が規定されているが、日本はこの条約に加盟しておらず、独自のデザインを採用している。日本はこの条約に加盟しておらず、独自のデザインを採用している。
ドライバーに一時停止を促す日本の「止まれ」標識は、逆三角形に赤い縁取り、日本語で「止まれ」と書かれたもので、1963年から使われている伝統的なデザインである。しかし、世界で最も普及している一時停止の標識は、英語で「STOP」と書かれた赤い八角形である。
また、米国では逆三角形の標識が「Yield(譲れ)」標識として一般的に知られている。さらに、中国では八角形に「停」と、マレーシアでは「berhenti(停止)」と書かれている。
世界では、一時停止の一般的な認識は八角形であり、逆三角形の標識を見ても一時停止を想起することは難しい。この文化の違いは、外国人ドライバーを混乱させる原因となっている。