荷主に代わって戦略立案 「3PL」は過去の劣勢から脱却できるか? 2024年問題でその真価が問われている
「2024年問題」への対応を迫られる荷主が目指す抜本的改革。物流企業は3PLサービスをどうすべきか。
生産性向上への期待
次に、3PLに対する「懸念」と「光」を示す。
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懸念は「3PLは荷主の期待に応えられるか」である。3PLが本来の役割を果たせる環境は整いつつあるが、残る課題は3PLの人材不足である。荷主が期待する改善を提案できる人材の育成は物流企業内で進んでいるが、需要に対して不足している。筆者は年間100人近い荷主と面談しているが、その多くが3PLの提案力不足を嘆いている。
光は「3PL内にベストプラクティスはある」だ。3PLへの期待が難しいとは一概にはいえない。というのも、3PL内には荷主とのベストプラクティス(成功事例)が存在しているからだ。残念ながら、現状では横展開が不十分なため、これらの成功事例が十分に活用されていないが、3PL内でこのノウハウを積極的に共有することで、荷主への提案が加速すると考える。
日本は時間当たりの労働生産性が低いといわれているが、そのなかでも物流業界の低さは指摘されている。物流のサービスレベルが高すぎることも一因だが、効率化が求められていることは間違いない。
2024年問題や政策パッケージは、荷主や消費者への変革要求が主流となっているが、筆者が心から願っているのは、物流の専門家である3PLが率先して生産性を向上させていくことである。