京都市は「観光公害」より、昔からの「渋滞問題」を論ずる方が先決だ

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京都では観光客の急増が大きな問題になっている。混雑による交通渋滞も深刻だ。行政の対応が追いついていないという意見も根強い。実際はどうなのか。

渋滞認識と課題再浮上

京都市(画像:写真AC)
京都市(画像:写真AC)

 これらの施策は、どのような結果をもたらしたのか。

 京都市の資料によると、2010(平成22)年から2019年にかけて、鉄道利用者数は約14%、バス利用者数は約17%増加した。同期間において、マイカーを利用する観光客の割合は28.9%から9.0%へと大きく減少している。

 ただ、こうした変化にもかかわらず、渋滞が減少したという市民の実感はまだ乏しい。2019年の京都市の調査によると、中心市街地や観光地で渋滞が減少したと答えた市民はわずか12.1%だった。これは、京都駅周辺や四条通など、観光地や人が集まる場所で渋滞がまだ続いていることが原因だ。

 さらに、コロナ禍でマイカー利用が増えたことで、マイカー利用率は2022年には14.1%まで再び上昇している。これを受け、2023年現在、京都市は観光地周辺の市営駐車場の料金値上げや、SNSを活用した渋滞状況の広報強化など、流入抑制策を再び強化している。

 自動車の利便性よりも渋滞の方が深刻な問題とされる現在、より強力な施策も考えられる。具体的には、

・緊急車両
・公共交通
・物流車両

に限って市街地への進入を許可し、一般車両には規制をかけるというものだ。これは、渋滞を緩和すると同時に、市民生活に必要なサービスや機能の提供を確保できる。

 少なくとも、観光目的の自動車やバスの流入はもっと抑制されていい。京都は魅力的な観光地である。とはいえ、混雑や渋滞をいつまでも鵜呑みにしてはいけないし、スムーズな旅ができるに越したことはない。一日も早く

「京都観光 = 自動車以外」

という認識が早く広まることを願ってやまない。最近、インバウンドで「観光公害」が“パワーワード”になっているが、そもそも「交通渋滞」は昔から問題だったのだ。

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