ボーイング「ドバイ航空ショー」で大量受注も、手放しで喜べない深刻「品質」「スト」事情
ドバイ航空ショーは、開幕にあわせた航空機の大量発注の発表が定番化しており、今回も例にもれずエミレーツ航空によるボーイング機の大量購入発表が華を添えた。
見通せない先行き

ドバイ航空ショーでの発表後、ボーイングの株価が一時的に1.30%増の207.20ドルに上昇した。チャートをみると、ボーイングの株価が10月下旬より上昇を続けていたが、13日に極端に値上がりしていることがわかる。
「航空機の納入が加速し始め、業績が改善を見せているのではないか」
とのアナリストのコメントがある一方で、懐疑的な見方もある。その根拠は、相次いで生じた
・品質問題
・ストライキ
である。ブルームバーグによると、
2023年4月に、アルミフレーム組み立ての多くを請け負うスピリット・エアロシステムズ・ホールディングスから、製造上の問題が報告された。これにより、B737MAXの引き渡しが停止され、該当する機体の検査を行った。
さらに8月には、同じくスピリット・エアロシステムズ・ホールディングスから、B737MAXの後部圧力隔壁の不適切な穴あけが報告された。もちろん、8月の問題発覚時点では、ボーイングは納入への重大な影響はないとしているが、追加の検査は避けられない状況だった。実は、B787ドリームライナーにも、6月に安全性に影響がないものの製造上の問題が発覚している。
このほか、6月下旬には、スピリット・エアロシステムズ・ホールディングスの労働組合がストライキを実施し生産が一時的に停止していた。しかし、ストライキ自体は6日間で収拾しており、影響はわずか軽微だったとしている。