ボーイング「ドバイ航空ショー」で大量受注も、手放しで喜べない深刻「品質」「スト」事情
ボーイング大量受注の内訳

それでは、ボーイングがドバイ航空ショーで大量受注した内訳をみてみよう。
●エミレーツ航空
・B777-9:55機
・B777-8:35機
・B787:5機(再注文)
合計95機
同社の発表では、今回のB777X95機に過去契約分を加えると、合計205機となる。ちなみに、B777-8とB777-9は、一度に多くの旅客を運べるワイドボディー機であり、標準(2クラス)で、B777-8は395人、B777-9は426人である。
B777-9は2025年から2035年にかけて、B777-8は2030年から納入される予定である。ボーイングの納品が順調に進めば、2030年台初頭には約350機の航空機を駆使して、ドバイをハブとして世界各地を結ぶこととなる。
また、エミレーツ航空は、B787-9を元々30機注文していたが、この度5機追加するとともに構成を見直して、B787-10を15機、B787-8を20機とした。
このほか、エミレーツ航空のパートナー会社であるフライドバイも、ドバイ航空ショーで30機のB787-9を契約した。フライドバイは、今までB737シリーズのみで運用しており、この契約によりワイドボディー機による運航が開始される。
B787-9は、中型のワイドボディー機であり、標準(2クラス)で296人と、B777Xと比較して100人程度少ない。
●エチオピア航空
・B787-9:11機
・B737MAX8:20機
・B787(オプション):15機
・B737MAX(オプション):21機
合計67機
エチオピア航空は、エミレーツ航空の発表により影が薄かった(エミレーツ航空のお膝元のため仕方ない部分もある)が、大型契約といってもよいだろう。
B737MAX8とエチオピア航空といえば、2019年3月に起きた302便墜落事故を思い浮かべる人もいるのではないだろうか。
実際、エチオピア航空のB737MAX8購入契約に対し、驚きをもって受け止める意見が見受けられた。もちろん、エチオピア航空のB737MAX8購入は、安全の証しであると好意的に受け止める意見もあり、反応はさまざまだった。