最近、ガソリンスタンドで「水抜き剤」をめっきり勧められなくなったワケ

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かつて、ガソリンスタンドではフルサービス店では「水抜き剤」の使用を勧められることがよくあった。最近ではめったにない。いったいなぜか。

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近年急増するセルフ式のガソリンスタンド(画像:写真AC)
近年急増するセルフ式のガソリンスタンド(画像:写真AC)

 水抜き剤が推奨されなくなった背景には、ガソリンスタンドの営業形態の変化も関係している。

 経済産業省が毎年まとめている「揮発油販売業者数及び給油所数」によると、2022年度末の給油所数は全国2万7963か所で、2021年度末と比較すると512か所減少している。なおピークは1994(平成6)年の6万4421か所で、年々減少している。

 そのなかでセルフ式は、1998年には5万6444か所(85か所)と全体の1%にも満たなかったが、現在は徐々に増加傾向にある。日本エネルギー経済研究所の石油情報センターが2023年8月30日に発表した調査結果によると、3月末時点のセルフ式の数は1万721か所で、割合は38.3%だった。

 セルフ式はスタッフの数が少ないため、声をかけられることはほとんどない。インターネット上にも

「お客さまと会話する機会がほとんどなくなり水抜き剤をすすめる機会が減った」
「以前まではオイル交換や水抜き剤などを勧めることも多かったけど、セルフ式に変わってからはお客さまと接する時間が減った」

といった、ガソリンスタンド関係者の声を確認できる。

 フルサービスのガソリンスタンドが一般的だった1998年以前は、水抜き剤を勧められることが多かったため、効果や必要性を知らずに軽い気持ちで入れていた人もいたかもしれない。いずれにせよ、懐かしいアイテムといえるのかもしれない。

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