最近、ガソリンスタンドで「水抜き剤」をめっきり勧められなくなったワケ
かつて、ガソリンスタンドではフルサービス店では「水抜き剤」の使用を勧められることがよくあった。最近ではめったにない。いったいなぜか。
水抜き剤の役割

水抜き剤は、自動車などの燃料タンクから水を抜くための添加剤で、イソプロピルアルコールなどが成分だ。最近のドライバーは存在すら知らない人も多いだろう。
燃料タンク内には、温度差による結露で少量の水滴ができることがあり、この状態を「水がたまる」という。
ガソリンは水と混ざらないため、燃料タンクの底にたまる。燃料タンクが金属製である場合、水は内部をさびさせる。そのさびが燃料に混じって車の故障の原因になったり、燃料タンク自体に穴が開いたりすることもあるのだ。
これを防ぐために水抜き剤が使われてきた。給油口から投入できるため、ガソリンスタンドではよく推奨されていた。
しかし、1995(平成7)年前後の車両からは水抜き剤そのものが不要になった。金属製だった燃料タンクが、衝突時の安全性確保や密閉性向上のため、さびにくい素材の樹脂製タンクに変わったことで、水抜き剤の必要性が薄れてきているのだ。