EVは極寒での「試験基準」確立が必要ではないか【連載】和田憲一郎のモビリティ千思万考(6)
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EVは寒さに対して弱いとの指摘を受けている。特に北欧、中国、北米など極寒と言われるところではなおさらである。しかし、極寒の状況において、EVなどの新エネルギー車の車両および充電インフラに関しても、明確な試験基準が定められていないのが現状だ。
世界で拡大し続けるEV普及
2021年は世界各地にてEV(PHEV含む)が著しく普及が進んだ年と言えるであろう。2020年の世界における販売台数が約320万台であったのに対し、2021年はおそらく700万台に達するのではないだろうか。
その最大の要因は中国での急激な需要拡大にある。中国では新エネルギーの普及が進んでおり、11月末段階で新車販売台数が約300万台に達した(販売比率で約13%)。12月も11月と同様好調が維持することから、340~350万台まで達すると予想される。
しかし、このようにEVが普及拡大することに伴い、課題も明らかになってきた。言うまでもなく、リチウムイオン電池に使用される希少金属材料の不足問題もあるが、車両として考えると、寒冷地における始動特性や走行距離などの問題もあろう。