つくばエクスプレスの8両編成化「2030年代前半」 なぜこれほど時間がかかるのか?
首都圏新都市鉄道によると、TX8両編成の運行開始は「2030年代前半」になる予定だという。なぜこんなに長い時間がかかるのか。
業績への投資影響

一方、資金計画に加えて、期間業績への影響も考慮する必要もある。
同社の売上高営業利益率は、コロナ前2020年3月期は20.6%(営業利益約96億円)、2023年3月期は10.4%(同約42億円)である。設備投資額が増えると事後の年度の減価償却費も増えるため、営業収益(売上高)が増えない限り、売上高営業利益率も低下する可能性がある。
財務の安定を図り、安定的な業績を維持するためには、企業価値を高める投資案件を厳選することを前提として、設備投資を適正水準にコントロールしつつ、将来の人口減による収入減も視野に入れた収益源の多様化を図ることが望まれる。
例えば、収益確保や沿線の魅力向上を主な目的として、近年首都圏を中心に広がっている座席指定列車の運行も選択肢になり得る。しかし、首都圏新都市鉄道は
「具体的な検討等はしておらず、またご要望等もほとんどない」(経営企画部広報課)
と述べるにとどめる。
TXをめぐっては、沿線自治体において
・東京駅延伸
・臨海地下鉄との接続
・土浦駅方面延伸
の要望や構想も取り沙汰されている。同社は
「当社において決定している事項はない」(同)
とする。
延伸が実現すればさらなる利便性向上や利用促進につながる可能性はあるが、同社が決定いる事項はなく、実現の見通しは流動的である。まずは、8両編成化により混雑率を低下させ、快適性を高めることが最優先事項となるだろう。
したがって、
「8両編成化は必要」
であると結論付けられる。そして、行政や民間事業者等との協働を強化して、魅力ある沿線まちづくりを進める必要がある。沿線自治体との協働により魅力ある鉄道サービスと地域を創り出すことが、TXの未来を明るくするだろう。