意外と知らない? EVの価格はなぜ「ガソリン車」より高いのか
EVの価格はなぜ高いのか。これは、クルマそのものにさほど興味がない人でも、EVの価格を聞けば当然抱く感想だろう。
価格の複雑な真相
リチウムイオンバッテリーの価格は実際いくらなのか。これは多くの人が抱く素朴な疑問かもしれない。製造時の調達価格と補修交換品の価格差、バッテリー自体の容量やメーカーの違いもあり、一概にはいえないが、少なくとも補修交換品で
「数十万円から100万円前後」
が目安となる。自動車メーカーは、バッテリーの性能を維持しながら調達価格を下げるために日々奮闘している。
次に、内燃機関車のエンジンとEVのモーターを比較してみよう。製造時の価格と補修交換品としての価格には大きな差がある。製造時と調達時の価格を部外者が知る術はないので、補修交換品の価格を調べてみた。
その結果、主要軽自動車のリビルトエンジン(中古エンジンをフルオーバーホールして新品同様にしたもの)は、おおむね
「20万円前後」
だった。この数字は、自動車メーカーから購入するものよりも2割程度安いという定説があるため、おのずとメーカー品の価格が推定できる。
一方、EVのモーター価格では、リビルトエンジンのような補修品の価格が見つけられなかった。そのため、電動改造キットとして市販されているものから推測した。その価格は一般的に
「1500~5000ドル」
である。この価格差は性能差によるものだ。おそらく、自動車メーカーが国内で調達しているアイシンや明電舎などのモーターユニットは、このレベルより安くはないだろう。