「コンテナバブル」崩壊で運賃大幅下落も、海運大手が微動だにしないワケ

キーワード :
, , , ,
コロナ禍による海運業界の歴史的バブルは崩壊し、海運業界は蓄積された資本を活用した事業拡大に乗り出している。持続的な成功の鍵となるか。

船余りの悪循環

オーシャン・ネットワーク・エクスプレスのコンテナ船(画像:オーシャン・ネットワーク・エクスプレス)
オーシャン・ネットワーク・エクスプレスのコンテナ船(画像:オーシャン・ネットワーク・エクスプレス)

 コロナ禍による海運業界の歴史的バブルは崩壊し、海運業界は蓄積された資本を活用した事業拡大に乗り出している。

 コロナ禍前、海運・造船業界は景気の低迷に苦しんでいた。貨物船の建造には数年を要するため、景気の良い時期に受注した船が完成する頃には、需要が減少しているケースが多かった。

。2010年代に入ると、リーマンショック前に発注された船舶が相次いで進水し、「船余り」という深刻な問題が発生した。この状況が世界中の海運会社の運賃値下げ競争を助長し、業界全体が利益を上げられないという悪循環を生み出した。

 2010年代には著名海運会社の破綻も相次いだ。

 2012(平成24)年7月、三光汽船は事業再生ADRを断念し、東京地方裁判所に会社更生法の適用を申請した。同社は自社船をほとんど持たず、賃料や新造船価格が高騰した2006年から2008年にかけて積極的に船舶を手配していた。その結果、景気後退期に打撃を受けた。海運業界の低迷は続き、2016年には韓国の大手海運会社・韓進海運が破綻した。

 こうしたなか、2017年に日本の海運大手3社である日本郵船、商船三井、川崎汽船がコンテナ船事業を統合し、オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)を設立した。これはコンテナ船の効率的な運航による生き残りを目指した統合であった。

 コロナ禍は、海運業界に大きな変化をもたらした。それまで暗いニュースが多かった業界は好転した。その背景には、巣ごもり需要の増加がある。世界的にオンラインショッピングへの依存度が高まり、消費が活発化した。

 輸入量は多くの国で急増し、米国の調査会社デカルト・データマインが発表したデータによると、2020年11月のアジアから米国へのコンテナ輸送量は

「前年比23.6%増」

だった。家具類は23.6%増、玩具・運動具は21.6%増となり、在宅時間の増加が消費拡大の要因となった。

 海運各社は当初、コロナ禍による需要減少を予想し、運航船数を減らしていた。しかし、予想外の消費拡大が貨物量の増加と運賃の上昇につながった。その結果、業界の利益は増加した。

全てのコメントを見る