日本郵船「貨物船」拿捕 イスラム過激派は過去にも商船三井の石油タンカーを襲っていた!
イランの財政的支援は数百万ドル

一方、フーシ派は、中東各地に点在する親イランのシーア派ネットワークのひとつを構成する。イエメンのフーシ派のほかには、
レバノン:ヒズボラ
バーレーン:アル・アシュタル旅団
イラク:ハラカット・アル・ヌジャバ、バドル旅団、カタイブ・ヒズボラ
シリア:リファ・ファテミユン
などがあり、中東を覆う「シーア派の弧」を重視するイランは軍事的・財政的に支援している。
イランによる財政的支援は数百万ドルから数十億ドルともいわれ、フーシ派には約10万人、ヒズボラには2万5000人~3万人、イラク・シリアのシーア派民兵には10万人~20万人がそれぞれ構成員として参加しているともいわれる。
しかし、各組織の活動ひとつひとつにイラン中枢部からの具体的指示があるわけではなく、基本的には独自の判断で活動している。よって、今回の拿捕事件でも、イスラエルはイランの関与を指摘しているが、その可能性は極めて低い。
しかし、フーシ派による遠方的な攻撃能力は、過去のケースからも顕著だ。フーシ派はイエメン内戦に加担するサウジアラビアを敵視し、同国領内に向けてミサイルや無人機を断続に発射している。
米国のシンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)は2022年1月、中東の安全保障についての報告書を公開し、フーシ派によるサウジアラビア領内への攻撃が2021年1月から9月までに月平均で78回となり、その前年の月平均38回からほぼ倍増したと明らかにした。
2022年3月には、サウジアラビア西部の都市ジッダにある国営の石油会社サウジアラムコの貯蔵施設が攻撃を受けた。攻撃により大規模な火災が発生したが、負傷者は確認されなかった。
このとき、フーシ派はほかにも首都リヤドや南部ジザン州にあるサウジアラムコの施設など計16回の攻撃を行った。2021年3月には首都リヤドにある石油精製施設が無人機6機によって攻撃を受けて火災が発生する出来事もあったが、リヤド上空にはフーシ派が発射したミサイルや無人機が繰り返し飛来し、サウジ当局が撃墜するなどした。