デンソー「燃料ポンプ不具合」1245万台 問題の“深層”は結局どこにあるのか?
デンソーが製造した燃料ポンプの不具合により、合計約268万台の車両がリコールされ、どの車両に取り付けられたか特定されていない燃料ポンプが5000個以上あることが判明した。
リコール制度の在り方
リコールは、部品の故障による物的・人的被害からユーザーを守るための制度であり、企業の糾弾が目的ではない。
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国土交通委員会調査室は、航空機の安全対策に関して
「ミスが処罰の対象として取り扱われると、事故として顕在化しない限り隠蔽(いんぺい)される。ミスの申告者が自らの判断や行動を分析して報告し、共有知識化すれば、安全対策に大いに貢献できる」
と述べている。
自動車業界も「不具合事例集」を予防に役立てている。工業製品に失敗はつきもの。その確率をできるだけ下げるために、開発段階ではDRBFMで不具合を未然に防ぎ、量産段階では検査で流出を防ぐ。
それでも不具合が市場に流出する可能性があることを前提に、音や振動、匂いなどで不具合を「予見」できるようにし、「事故・火災・エンジンストール・走行不能」といった重大な事象を現実的なコストで回避することが設計者の使命である。