ジェンダー平等について「もう聞き飽きた」というなら、男女で“通勤経験”が全く異なることを考えてほしい

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都市は必ずしも女性にとって安全に移動できる空間ではない。移動する人が「女性」とみなされることによって、モビリティの時間と空間に余分なリスクやハードルが発生することがあるからだ。

女性の都心回帰

都心のイメージ(画像:写真AC)
都心のイメージ(画像:写真AC)

 また、「エキナカ」「エキチカ」といった駅周辺の再開発は、都心空間の“ショッピングモール化”ともいえる。

 こうした大規模再開発は

・都市の均質化
・ファスト風土化(郊外化の波による地域の独自性の喪失)

と批判されがちだが、女性にとって移動しやすい環境に変わりつつある。

 さらに、地理学の研究によると、女性の職場は都心に集中し、都心に住む独身女性も増えている。つまり、かつては居住地域に足止めされていた女性たちが、現代都市の都心回帰を担う存在として都心に進出してきているのだ。

「女性の社会進出」は、女性が安心して移動できる都市空間の実現なしには、絵に描いた餅にすぎない。そして、そうした都市の構造転換はすでに始まっている。

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