物流の未来を担う「コンテナ鉄道輸送」 モーダルシフトの鍵は「低床貨車」である

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モーダルシフトの鍵となるのは、国際海上コンテナを輸送できる低床貨車の開発である。歴史を振り返る。

港と鉄道の結節点

国鉄大阪港駅舎。駅としては廃止後の浪速駅大阪港分室時代の姿(画像:Olegushka)
国鉄大阪港駅舎。駅としては廃止後の浪速駅大阪港分室時代の姿(画像:Olegushka)

 今後、低床貨車が普及し、国際海上コンテナの鉄道輸送が本格化するためには何が必要だろうか。まずは、高コストを克服するための需要拡大であることだ。そのためには、鉄道とコンテナ船との間の貨物の移動を円滑にするインフラの整備が不可欠である。

・東京
・横浜
・清水
・名古屋
・四日市
・大阪
・神戸
・博多
・北九州

といった主要港に近い貨物駅は、いずれも港から半径5km以内という位置にある。しかし、それでは不十分である。施設はコンテナ埠頭(ふとう)のもっと近くにある必要がある。

 例えば、近年ハブ港としての地位を確立した釜山港(釜山新港)では、コンテナヤードに隣接して鉄道引き込み線が敷設されている。ほかにもドイツのハンブルク港やジブチのドラレ港など、世界のハブ港のコンテナターミナルは当たり前のように鉄道で直結している。

 これに対し、日本は同等の設備を持つ貨物駅の整備が遅れている。首都圏の物流を担う東京貨物ターミナルは大井コンテナ埠頭と隣接しているが、鉄道とコンテナ船との貨物の移動がスムーズにできるような配置にはなっていない。

 これは筆者(大居候、フリーライター)の私見だが、かつての

・大阪港駅(1986年廃止)
・神戸港駅(2003年廃止)

の廃止は、今となっては失敗だったのかもしれない。

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