世界に広がるスケボー熱! その歴史は、遊びのための「移動手段」として始まった

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日本では、スケートボードは遊びや娯楽といった「文化」としての側面が強い。その歴史とは。

移動手段から文化へ

スケーター(画像:写真AC)
スケーター(画像:写真AC)

 乗り物には「移動手段」としての主たる目的がある一方で、遊びや娯楽といった「文化」としての側面もある。

 乗り物はもともと、人間の利便性や効率性、あるいは生産性を高めるために生み出された。それがやがて多くの人に浸透すると、一部は文化として醸成される。

 自動車の場合、それは車好きのような娯楽文化であったり、オートレースのようなスポーツ文化であったりする。楽しみ方も嗜好も多種多様になる。

 したがって、デザインなどの美的価値も付加価値となる。実はスケートボードにもそういう側面があるのだ。

若手選手の躍動

スケートパーク(画像:写真AC)
スケートパーク(画像:写真AC)

 近年、スケートボードにおける若者の活躍をよく耳にする。スケートボード(ストリート/パーク)が初めてオリンピックの正式種目となった東京2020オリンピックでは、

・堀米雄斗(男子ストリート・金メダル)
・四十住(よそずみ)さくら(女子パーク・金メダル)
・西矢椛(もみじ)(女子ストリート・金メダル)
・中山楓奈(ふうな)(女子ストリート・銅メダル)

といったメダリストを輩出し、その後も

・赤間凛音(りず)
・織田夢海(ゆめか)
・小野寺吟雲(日本選手権2連覇)
・草木ひなの
・白井空良(そら)
・中山楓奈
・開心那(ひらき ここな)
・根附海龍(ねつけ かいり)
(あいうえお順)

といった選手が国際大会やコンテストで次々と表彰台に立っている。

 日本国内でも若手選手の活躍はメディアで取り上げられ、スケートボードは広く一般に浸透した。正確に数えるのは難しいが、日本のスケートボード人口は

「400万人」(一度でもスケートボードに乗ったことがある人を含む)

で、競技人口は「2000人」と推定されている。公共のスケートパークの数も2021年からほぼ倍増し、2023年には434か所に達した。

 また、かつてはスケートボードといえば、世界的に

・男性コミュニティー
・男性優位の集団

だったが、現在では世界的に女性スケーターが増え、子どもたちもスケートボードを楽しむようになった。

 スケートボード発祥の地といわれる米国のロサンゼルスや、新潟県北部の村上市では、スケートボードが“習い事”として根付き、スケートパークに通う子どもたちも多い。また、スケートボードを始めた50代の男性も現れている。

 今やスケートボードは幅広い世代に浸透し、日本でも以前にも増して大衆化が進んでいるといえるだろう。

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