船の世界もハイブリッド時代へ 蓄電池と発電機のバイオマス輸送船 2023年竣工

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大容量蓄電池とディーゼル発電機によって推進用の大型モーターを駆動させるハイブリッドEVシステムを搭載した船が2023年4月に竣工する。今後の船舶の在りようを体現する次世代船のスペックを詳報する。

ソフトウェアや災害対策も充実 船用「ドラレコ」?

船員標準業務支援端末「Mフォン」(画像:e5ラボ)。
船員標準業務支援端末「Mフォン」(画像:e5ラボ)。

 新造EVハイブリッド船には乗組員の業務を支援するシステムとして、e5ラボが立ち上げたスタートアップのMarindows(千代田区神田紺屋町)が開発している「Marindowsプラットフォーム」を搭載する。

 船陸間の通信を常時接続できるようにし、航行する船舶の遠隔モニタリングや予兆検知、CBM(状態基準保全)などを実現するとともに、同社が提供する船員標準業務支援端末「M フォン(Marindows Phone〈仮称〉)」を通じて、徹底した労務軽減と安全運航の向上を目指す。

 加えて、海難事故が発生した場合に備えてネットワーク型ドライブレコーダー「ドラれもん(仮称)」や、陸上と船上の双方から船舶の位置と状態が把握できるネットワーク型ポータブルナビ「ナビ子ちゃん(仮称)」も装備する。

 また、電力会社との提携・共同開発により、災害時に船から陸への給電が可能な電力供給船機能も持つ。これは自然災害などにより陸上送電設備がダウンし、沿岸部の広範囲に給電ができない場合、船に搭載された発電機から陸上に電力を供給するもの。

 陸上の道路や送電インフラが寸断されても、海上から被災地付近の港へ急行することで、消防・病院・避難所といった拠点となる施設に向けて大容量電力の供給が可能となる。

 EVハイブリッド船がバイオマス燃料を輸送する相生バイオマス発電所は、2023年1月の運転開始を見込んでいる。元は関西電力相生発電所2号機で、現在、関西電力と三菱商事パワーの出資で設立された相生バイオエナジーが、重油・原油から木質バイオマスへ燃料を変更する工事を進めている。