大分県はなぜ「東九州新幹線」に執着するのか? 交通研究会発足にみる、九州“取り残され県”の悲哀現実
大分県が広域交通ネットワーク研究会を発足させる。東九州新幹線や豊予海峡ルートを整備し、新国土軸の交通結節点を目指す試みだが、なぜ今こんな動きをするのだろうか。
9人の外部有識者が20日に初会合
「東九州新幹線や豊予海峡ルートなど広域交通ネットワークは大分県の重要政策。外部有識者による研究会を立ち上げ、議論してもらいたい」
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大分県の佐藤樹(き)一郎知事は11月上旬の記者会見で広域交通ネットワーク研究会の設立を明らかにした。
研究会は大分大学経済学部の大井尚司教授、九州経済調査協会の岡野秀之常務理事、九州大学工学部の塚原健一教授ら9人の外部有識者で構成される。20日に大分県大分市の大分センチュリーホテルで初会合を開き、2024年2月に報告を取りまとめてもらう計画だ。テーマは
・東九州新幹線
・豊予海峡ルート
・中九州横断道路(大分市と熊本市を結ぶ約120km、1994年12月に計画路線に指定された地域高規格道路)
などを予定している。
佐藤知事は大分市長時代から豊予海峡ルートの推進に力を入れ、豊予海峡ルートの調査を大分市独自に進めた経験を持つ。4月の統一地方選挙で実施された大分県知事選でも東九州新幹線や豊予海峡ルートの推進を公約に掲げた。
広域交通ネットワークの整備をこれからの大分発展のために必要な事業と位置づけているからで、知事就任後の6月には、大分県庁内に豊予海峡ルート推進のプロジェクトチームをスタートさせている。
大分県交通政策課は
「東九州新幹線、豊予海峡ルートとも国が進めるべき事業だが、地元が熱望し、機運が醸成されていることを示す必要がある。研究会の検討結果は県の長期総合計画に盛り込み、施策に生かしたい」
と力を込めた。