一般道から入れる「ハイウェイオアシス」が近年大人気なワケ 観光施設と一体化で地域貢献も、その陰に潜む“需要のジレンマ”とは
地域レジャーの課題と可能性
長く地域レジャーの受け皿として機能してきたものに「遊園地」がある。公園のような広いスペースに大型遊戯機器や飲食施設、物販施設などを設置し、ファミリーや友人グループ、カップルなどの幅広層が身近なレジャー施設として利用してきた。
しかし、バブル崩壊以降、長い歴史のある老舗遊園地を含めて次々に閉園していっている状況である。つい最近もとしまえんが閉園したばかりだ。近年、遊園地の新たな開発もほぼ見られない。
日本は人口減少社会であり、将来的な地域マーケットの縮小は避けられない。インバウンドを意識した観光施設開発はともかく、地域マーケットをターゲットにした大型レジャー施設の開発は難しくなっている。
しかし、手軽に1日遊べる遊園地のニーズが消えたわけではない。さらに、緑が多くのんびりできる公園のニーズも高まっている。高速道路の動員力があるハイウェイオアシスには、地域マーケットだけではなく、より広範囲からの利用が期待でき、このような開発と可能にしているといえる。
地元ではハイウェイオアシスによる地域振興に大きな期待が寄せられているが、施設の規模が大きくなるにつれ、導入される業種が地域の大型商業施設に出店する業態と競合する懸念もある。例えば、屋内プレイグラウンドやアーバンスポーツパークがそうだ。
現在の開発シーンでは規模が大きくてニーズのある業態は限られており、開発が同質化しやすい。また、施設が大型化すれば滞在時間も延びるため、地域の施設を連動して利用する機会は少なく懸念もある。ハイウェイオアシスが大型化することによってそこで
「需要が完結」
してしまう。しかし、民間の開発意欲が低下している地域レジャーの現状を考えれば、これも仕方がないことかもしれない。
さまざまなレジャーが集積し、多機能化するハイウェイオアシス。ドライブの際に利用してみてはどうだろうか。