米国「スクールバス」もドライバー不足! そんな危機を救った、ウィスコンシン州の“ママさん軍団”の奮闘とは
米国では、スクールバスは最も一般的な通学手段である。児童や生徒を安全に通学させる重要なシステムであり、また、公共交通機関がなく、自家用車での移動が必要な郊外では、通学の手段として不可欠なものとなっている。
子ども同伴の柔軟労働
そんななか、バスドライバーの確保に見事に成功しているのが、前述のウィスコンシン州の例である。
ウィスコンシン州のカウカウナという街で、子育て真っ最中の母親たちがスクールバスのドライバーとして活躍しているというのだ。彼女らの活動は、地元のみならず全国的にも注目され、
「ママ・アーミー(お母さん軍団)」
とまで呼ばれて、その活動が州内に広がっている。小さな子どもを抱えた彼女らは、一体どのようにバスドライバーとしての仕事をこなしているのだろうか。
答えは至ってシンプルだ。
乗務するバスに自分の子どもを同乗させているのだ。つまり
「子連れ勤務を許されている」
ということだ。乳幼児を育てている最中の母親にとって、仕事をするハードルは高い。そんな彼女らにとって、子ども同伴で、すぐ目の届くところに子どもを置いて働ける環境は願ってもないものだ。
スクールバスドライバー不足に悩む地域社会にとっても、ドライバーを確保できることは願ったりかなったりの状況なので、固定概念にとらわれない柔軟な発想から生まれたこの活動は、まさに双方に
「ウィンウィンの関係」
を構築している。