商船三井が「商品」でギネス記録認定 「最も販売されている船舶用省エネ装置」とは?
商船三井テクノトレードのとある商品が、このたびギネス世界記録に認定された。「最も販売されている船舶用省エネ装置ブランド」とは、一体どんな商品――?
累計3748基を販売した実績で認定
商船三井は、グループ会社の商船三井テクノトレードが販売するプロペラ効率改善装置「PBCF」が「最も販売されている船舶用省エネ装置ブランド」(累計個数)としてギネス世界記録に認定されたと発表した。
PBCFは「Propeller Boss Cap Fins」の略。1986(昭和61)年に商船三井と西日本流体技研、ミカドプロペラ(現ナカシマプロペラ)が共同開発し、翌年から販売を開始。2000(平成12)年に商船三井テクノトレードへ業務移管した。2020年12月末までに累計3748基を販売(2軸船を含む3516隻で採用)した実績により認定された。
プロペラのエネルギー損失要因としてほとんど注目されていなかった、プロペラ後方に発生するハブ渦に着目。渦を消すことで無駄に捨てられていたエネルギーを回収し、燃費を改善する装置として、世界で初めて製品化されたPBCF。
同品搭載の商船三井運航船の運航データから、3~5%の省エネ効果が実証されているという。
販売開始以降、国内外の船主・運航者からその効果が認められ、2006年に1000基、2011年に2000基、2015年に3000基を突破した。2017年には、省エネ効果を向上させた改良版「新型PBCF」を発表している。
2021年には累計3800基超(3600隻超)を達成。「販売開始から約35年たった現在も船舶の省エネ装置としては異例の売れ行きを誇り、ベストセラーとして確固たる地位を築いている」(同社)という。
同社は、PBCF搭載による燃費向上で、船舶から排出されるCO2(二酸化炭素)を累計約4600万tの削減したと算出している。商船三井グループは、2050年までにネットゼロ・エミッションを達成することを目標に掲げている。