観光復活に「電池推進の遊覧船」 福井県美浜町が計画、ふるさと納税の寄付募集

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観光客の減少に直面する地方自治体が、反転の一手に選んだのはかつて町自慢の湖を賑わせた「遊覧船」。電池推進式の最新船を建造するため、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングで寄付の協力を呼び掛けている。

クラファン活用、目標額は2160万円

福井県美浜町が、電池推進遊覧船の建造を目指してクラウドファンディングを開始(画像:福井県美浜町、さとふる)。
福井県美浜町が、電池推進遊覧船の建造を目指してクラウドファンディングを開始(画像:福井県美浜町、さとふる)。

 福井県美浜町と、ふるさと納税ポータルサイトを運営するさとふる(中央区京橋)は、再生可能エネルギーを活用した電池推進遊覧船の建造・運航を目指すクラウドファンディング型ふるさと納税のプロジェクトを発表、寄付受け付けを開始した。

 建造費用の1割に当たる2106万円を目標額に、同社の運営サイト「さとふるクラウドファンディング」などで2022年3月31日(木)まで受け付ける。

 同町と若狭町の五つの湖からなる名勝・三方五湖では、昭和30年代から遊覧船を運航。四季折々の景観を楽しめるとあって多くの観光客らを楽しませてきた。しかし、海水浴離れや団体旅行の減少などを背景に2016年、運航を終了。以降、地域の賑わいが薄れるなど地元の商工・観光事業に大きな影響を及ぼしているという。

 美浜町は、観光産業の復活と地域再活性のため、電池推進遊覧船の建造を計画。世界初の急速充電対応型電池推進船を開発した東京海洋大学の支援を得て、開発に取り組んできた。

 船の発着施設の屋根に設置する太陽光パネルなどから船内のリチウムイオン2次電池(300kWh、240個)に給電する仕組み。船の建造に併せて整備する発着施設は、三方五湖エリアを周遊するレンタサイクルステーション機能や地元食材を味わえる休憩所なども備え、観光客の呼び込みを図る。

 町は「この船の完成によって、快適な湖の旅はもちろん、地球温暖化の抑制や未来の湖上モビリティとしての活用の一助になることを期待している」と説明、寄付を呼び掛けている。

 事業予算は建造・監理費用を含め総額2億1060万円。2021年12月に着工し、2022年3月に発着施設の建物が、同9月には桟橋などの施設外構が完成予定。遊覧船の完成は2023年3月を目差している。

 美浜町は福井県の南西部に位置し、総面積152.35平方キロメートルで人口9140人(2021年12月現在)。北は日本海に面し、海や山、川、湖など変化にとんだ自然の景観に恵まれているのが特徴。若狭湾や三方五湖は、若狭湾国定公園に指定されている。