トヨタがモビリティショーで披露した「ステアバイワイヤ」は、本当に自動運転に必要な技術なのか

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ジャパンモビリティショー2023のトヨタとレクサスの展示ブースには、テスラのヨークステアリングに似た異形ハンドルが展示されていた

ネオステアの未来性

ネオステア(画像:トヨタ自動車)
ネオステア(画像:トヨタ自動車)

 2021年4月の上海モーターショーで、トヨタはSBWを搭載したBZ4Xを出展した。この出展により、SBW搭載車が世界展開されるかと思われたが、中国向けのみで、日本向けは規制当局との調整がつかず発売されなかった

  BZ4Xの新車発表会で紹介された斬新な異形ステアリングが話題となったが、日本のユーザーの手に渡ることはなかった。

 そして、ジャパンモビリティショー2023では、SBWを搭載したふたつの次世代コックピットコンセプトが展示された。

 ひとつは、2024年末からRZへのSBW搭載を発表したレクサス。次世代コクピットにはSBWの異形ステアリングハンドルが搭載され、ハンドル左右のディスプレーも既存のハードスイッチをソフト化したものが装備されていた。このコックピットを見た瞬間、未来のEVや自動運転車への想像が膨らんだ。

 もうひとつは、トヨタブースに展示されていたランドクルーザー250に搭載された「ネオステア」。バイクハンドルをベースとしてアクセルやブレーキといった足元の操作系をステアリングホイールに集約した新時代のコックピット・コンセプトだ。親指と人さし指でアクセルとブレーキを操作できるペダルレスシステムは、運転姿勢の自由度を高め、下肢障害者が両手で運転できる点で画期的だ。

 いずれもSBW技術の実用化に向けた取り組みであり、近い将来、SBW搭載車が普及することを予感させる。しかし、本当に必要な技術なのか、ユーザー目線で考えてみよう。

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