ヨーロッパの近郊車両に「2階建て」が多く使われている理由
欧州の大都市近郊で使われる車両には、座席数の多い2階建て車両が多く用いられている。いったいなぜか。
充電とWi-Fiの増加

まず、各座席にコンセントとUSBポートを設置し、ノートパソコンやスマートフォンの充電に対応している点で、近年、特にスマートフォン利用者が大幅に増え、充電ニーズが非常に高まったことが理由だ。
地下鉄やトラム、バスに設置されている例はさすがにまだ少ないが、近郊列車は特に近年導入された新車や、車体を更新した車両においては、ほぼ100%に近いくらいの当然の装備となりつつあるようだ。
コンセントと合わせて、Wi-Fiの設置も急速に進んでいる。今のインターネット社会、乗車時間がせいぜい30分程度だったとしても、Wi-Fiが使えればありがたいと感じるもので、優等列車から設置が始まったが、最近は近郊列車へも徐々に拡大される傾向にある。
国や地方自治体が、定額の費用を事業者へ支払って路線を維持させるPSO(公共サービス輸送義務)においては、手を上げた各事業者からの提案内容を審査して、最適と判断した事業者と契約を結ぶが、新車の導入などとともにサービスの一環として車内へのWi-Fi設置を約束する事業者も多い。