「退職金の前払い」で給与アップ! 九州産交バスなどが業界初の取り組み、人手不足解消につながるか
九州産交バスと産交バスが10月24日、バス運転手が人生設計に応じて賃金制度を選択することができる新たな施策を導入したと発表した。
一定の効果を生み出すことに期待
もちろん、「終身雇用で定年まで働くつもりはないから」というメッセージかもしれないのが、そもそも高度経済成長期よりも今はまだ離職率は実は低い。日本人の転職志向は別に今が最高ではない。
このように考えると、今回の運輸業界における退職金前払い制度の導入も一定の効果を上げる可能性は高いように思える。
他業界でも導入するところも増えている。例えば、2009(平成21)年には大阪大学が導入を決定した。少し前の調査だが、2017年度に内閣官房が行った退職給付制度の実態調査によれば、退職金のある企業のうち、前払い退職金制度を導入している企業は全体の
「4.5%」
を占めた。これからは「退職金よりも今の賃上げ」を選ぶ企業は増えていくのではないだろうか。