80歳の「個人タクシー運転手」容認 どう見ても危険すぎるので、現役運転手に聞いてみた
9月15日、国土交通省は過疎地での個人タクシーの営業を認め、個人タクシードライバーの年齢上限を80歳に引き上げる新たな方針を発表した。実際に高齢者が起こした事故の特徴を踏まえながら、このテーマの是非について考えてみたい。
現場のタクシードライバーの考え
では、現場のタクシードライバーは国交省の発表をどう考えているのか。現役ドライバーのAさんに聞いてみると、
「本音では、80歳までという年齢制限は設けてほしくありません。ニュースやインターネットで高齢者の交通事故を見ているからです。しかし、過疎地など交通の便が悪いところでは必要だと思います」
とのこと。地域の実情によっては、必要なことなのかもしれないそうだ。ちなみに、タクシードライバーの間ではどちらの意見が多いのだろうか。
「特に話題になることはありませんが、反対する人はたくさんいると思います」
とAさん。なんと、タクシードライバーの間ではあまり話題になっていないようだ。
現場では、80歳とはいわないまでも、まだまだ多くの高齢ドライバーが働いている。A氏が働く会社には、高齢ドライバーのための研修制度はあるのだろうか。
「残念ながら、弊社にはそのような教育制度はありません。しかし、将来、高齢ドライバーが増えたときのために、そのような制度があってもいいのではないかと思います」
今後、高齢ドライバーの増加が予想されるが、どのような対策が考えられるのか。
「高齢者ドライバーの対策は、添乗して大丈夫かどうかを確認するのが一番じゃないでしょうか」
とAさん。
将来的には、タクシー会社が抜き打ちで検査員を同乗させ、ドライバーの運転技術をチェックすることも必要かもしれない。タクシーの利用は、ドライバーに客の命を預ける行為である。高齢ドライバーが増えるとはいえ、安心して利用できる施策の充実が望まれる。