80歳の「個人タクシー運転手」容認 どう見ても危険すぎるので、現役運転手に聞いてみた

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9月15日、国土交通省は過疎地での個人タクシーの営業を認め、個人タクシードライバーの年齢上限を80歳に引き上げる新たな方針を発表した。実際に高齢者が起こした事故の特徴を踏まえながら、このテーマの是非について考えてみたい。

高齢運転者事故の特徴

高齢者ほどアクセルとブレーキの踏み間違いが多い(画像:写真AC)
高齢者ほどアクセルとブレーキの踏み間違いが多い(画像:写真AC)

 また死亡事故の類型を見ると75歳未満では“人対車両”が一番死亡事故の形として多い。しかし75歳以上になると急に増えるのが「車両単独」での事故だ。建物や工作物への衝突や路外逸脱により起きる死亡事故の割合がなんと75歳未満の2倍近くも高くなるのだ。他車や他人が関与していなくとも自分の運転で事故を起こしてしまうパターンが多くなってしまっている。判断ミス、単純な操作ミスが原因として多い。

 75歳以上の高齢ドライバーの死亡事故で最も多い理由は「操作不適」である。これはハンドルやブレーキの不適切な操作によるもので、死亡事故全体の7.7%がアクセルとブレーキの踏み間違いによるものである。踏み間違いによる死亡事故の1.1%しか75歳未満の年齢層で起きておらず、75歳以上の年齢層では驚くほど高い。(「令和4年における交通事故の発生状況について(警察庁)」より)。

 また、ニュースでよく見かけるコンビニエンスストアへの突入など、高齢者による事故が多いことも明らかになっている。

 死亡事故の種類を見ると、75歳未満では「人対車両」が最も多い。75歳以上になると。「車両単独」が急に増える。建物や工作物への衝突や道路外への逸脱による死亡事故の割合は、75歳未満の約2倍となっている。自分自身の運転が原因で事故を起こすパターンが多くなっている。判断ミスや単純な操作ミスが最も多い原因である。

 警視庁のウェブサイトによると、高齢ドライバーの特徴は次のように紹介されている。

「高齢運転者は、自分で安全運転を心掛けているつもりでも、他人が客観的にみると安全運転とは言えないところがあると言われています。その理由として、個人差はありますが、

・注意力や集中力が低下していること
・瞬間的な判断力が低下していること
・過去の経験にとらわれる傾向にあること

等が考えられます。また、一般的には加齢に伴う動体視力の衰えや反応時間の遅れなど身体機能の変化により、危険の発見が遅れがちになることがあります」

 事故の特徴は、加齢とともに事故のリスクが高まることを明確に示している。個人差はあるにせよ、加齢によって身体機能や瞬時の判断能力が低下するのは避けられない。そのリスクを採る「80歳まで容認」という方針は、やはり問題視されるだろう。

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