「日本を裏切るなんて」 インドネシア初の高速鉄道開業でネットにあふれる軽薄な書き込み、建設支援は中国も、真の敵は“ヨーロッパ”である
ヨーロッパメーカーの進出

この10月にはジョコウィ大統領が主導して、TikTokショップを閉鎖させた。中国製品流入の闇ルートとして機能しており、美容用品や生活雑貨が法外に安いルートで消費者が入手可能になっていた。
国内産業の脅威となるならば、日本製品だろうが中国製品だろうが、容赦はしない。これは、ラオスや、一帯一路政策のもとで中国が進出した一部のアフリカ諸国と異なる部分である。最近の電気自動車(EV)の動向には注視する必要があるものの、四輪、二輪車で9割近いシェアを誇る日本車(現地生産)にも大した変化はない。
ただ、商用車になると話は少し異なる。
日本車のシェアが高いことに変わりはないが、ベンツ、ボルボ、スカニアなどの欧州メーカーが食い込んでくる。ただ、いずれにしても中国メーカーの影はほとんどない。これは、近隣のマレーシアやタイとも大きく異なるところである。
10年以上前、一時期、安さに飛びついて、首都ジャカルタのバス高速輸送システム(BRT)、トランスジャカルタに韓国車、中国車が大量に導入されたことがあったが、トラブルの多さからあっという間に置き換えが進み、今や、欧州車に取って代わられている。
中国の動きに注目しているのは、日本のみではない。いや、特にヨーロッパ諸国の方が、よほど虎視眈々(たんたん)と、そして圧倒的な政治力を用いて東南アジア最大のマーケットであるインドネシア市場を狙っている。
日本メーカー製の自動車ばかりに目が行ってしまうが、日用品、食品関連、また自動車以外の工業製品では、ヨーロッパメーカーが占める割合も高い。オランダ植民地時代からの歴史を持つユニリーバは日用品の最大手のみならず、飲料やアイス製造も手掛けている。飲料水製造最大手のアクアはフランスのダノンに買収されてしまった。
そして、工業製品で圧倒的な存在感があるのは、やはりドイツである。そして、彼らにいわせれば、中国など大した脅威ではない。これまた多くの日本人は勘違いしているが、ドイツ製品の品質は大して高くない。鉄道分野にしても同じである。しかし、
「そこそこの水準のものを安く納める」
から、東南アジアで幅を利かせているし、中国とも勝負ができる。