鹿児島県「桜島フェリー」大幅運賃値上げに見る、地方生活路線の苦難 今後の活路はどこにあるのか?

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人口減少による交通インフラの維持が課題となるなか、鹿児島県の生活路線である「桜島フェリー」が大幅な運賃値上げを余儀なくされた。その背景にあるものとは。

船舶局の削減策

桜島フェリーのウェブサイト(画像:鹿児島市船舶局)
桜島フェリーのウェブサイト(画像:鹿児島市船舶局)

 生活道路としての価値の低下と、人口減少による利用者の減少というふたつの要因が経営を圧迫している。そのため、数十円の値上げは許容範囲といえる。

 しかし、最近の地元紙の報道では、相次ぐ値上げに対して、

「人件費などを削減できるのではないか」

という利用者の意見も紹介されていた。この点について船舶局に問い合わせたところ、次のような答えが返ってきた。

「今年は船の数を5隻から4隻に減らしました。これによって人件費と燃料費を削減しようと努力しています」

残念ながら、利用者のなかには、これまでのサービス維持のための努力をよく理解していない人もいるようだ。

 人口減少に歯止めがかからない限り、生活路線としての増収は難しい。観光客の誘致など、もっと積極的な利用者増対策が望まれる。

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