普段は韓国批判ばかりなのに、「韓国軍機」が邦人退避支援したらなぜか黙ってしまった人に欠ける「正しい歴史認識」

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韓国人163人、日本人51人、シンガポール人6人が輸送機「KC-330」に搭乗し、10月14日夜に韓国の城南(ソンナム)ソウル空港に無事到着した。韓国までの移動が無料であった。

日本政府のこれまでの救援対応

3万円(画像:写真AC)
3万円(画像:写真AC)

 松野官房長官の発言にはいくつかの疑問が持たれる。

 過去の救援機における運賃負担の対応はさまざまであった。例を挙げると、1989年の天安門事件の際、日本政府は搭乗を希望した邦人から運賃を徴収している。一方で、1977年のダッカ日航機ハイジャック事件の際、解放された乗客は政府チャーター機で無料で帰国している。

特に混乱したのは1990年の湾岸戦争だった。当時、政府は日本人を避難させるため、日本航空に臨時便の運航を発注した。これを受けて政府は、日本航空が提示した

「大人24万円」

の運賃を徴収することを計画した。

 しかし、実務を担当する運輸省は、避難を余儀なくされた人たちから運賃を徴収するのは良識に反するとして反対した。政府内でも意見が分かれ、結局、政府は3000万円でチャーター機を発注し、運賃は負担させないことにした。

 このように

「救援機で運賃の徴収するかどうか」

は、たびたびちぐはぐな判断が繰り返されている。ただ、戦火が及ぶなどの緊迫した状況では、無償とした例が多数あることは明らかだ。

 天安門事件の際、なぜ運賃を負担させたのかについても調べてみた。このとき、帰国希望者の「救援」が目的であったにもかかわらず、日本政府の避難勧告を受けて、日本航空と全日空が通常の定期便に加えて臨時便を運航したからである。

 また、緊迫した状況にもかかわらず、当時北京にいた約3000人の日本人のうち3分の1が残留を希望していたことも、航空運賃を負担させた理由のひとつだった。

 いずれにせよ、突然の事態にもかかわらず他国民にまで救いの手を差し伸べる余裕のあった韓国政府に対して、日本政府の対応の稚拙さが際立っていたことは間違いない。

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